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がん:グルココルチコイド–FAS軸は転移性播種時の免疫回避を制御する

Nature 653, 8114 doi: 10.1038/s41586-026-10222-2

転移は、トリプルネガティブ乳がん患者や他の固形悪性腫瘍患者の主な死因であり、原発腫瘍から播種して全身の免疫監視を生き延び、新しい器官に定着したがん細胞から生じる。しかし、初期の播種性腫瘍細胞(DTC)が新たな器官に播種した後に抗腫瘍免疫を乗り越える仕組みについては、ほとんど分かっていない。今回我々は、トリプルネガティブ乳がんのモデルにおいて、可視化抗原をコグネイトCD8+ T細胞と共に用い、初期の転移性播種における免疫回避の機構について調べた。生き残ったDTCの解析から、グルココルチコイド受容体(GR)の活性化が、CD8+ T細胞およびナチュラルキラー細胞の両方に対する抵抗性の主要な駆動因子であることが明らかになった。最適化した標識ツールを用いたニッチのプロファイリングによって、FAS–FASLがDTCに対する主要な汎細胞傷害性経路であり、この経路はGRの活性化によって抑制されることが明らかとなった。免疫療法と組み合わせてGRを薬理学的に阻害すると、マウスにおいて転移量が減少し、生存期間が延長された。このように我々は、DTCで特異的に働く免疫回避の機構を突き止めて、転移カスケードのこの段階におけるユニークな免疫–がん相互作用を明らかにした。我々の知見は、原発腫瘍を標的とした治療とは別に、DTCを排除する治療機会があること、そしてGR阻害が有望な標的の1つであることを示唆している。

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