強誘電性:Aサイト層状秩序ペロブスカイトにおける本質的な極性渦結晶
Nature 653, 8113 doi: 10.1038/s41586-026-10470-2
トポロジカル相は、それらのトポロジカル不変量によって特徴付けられるように、通常の相とは大きく異なる状態と考えられており、人工知能の時代に向けた微小だがロバストな情報担体として大変有望視されている。しかし、こうした非自明な状態は通常、非平衡条件下で見いだされるか、外因性の電気的あるいは機械的な境界拘束によって安定化されており、このことが応用を制限している。特に強誘電体では一般に、双極子が原子スケールで渦を巻く際に生じる大きな弾性エネルギーや勾配エネルギーと釣り合わせるために、界面の拘束電荷によって生じる脱分極場の最大化が必要となる。多くの試みにもかかわらず、バルクの強誘電体において高秩序トポロジカル極性結晶を実現することは、依然として困難である。今回我々は、Aサイト層状秩序ペロブスカイトの一群において、最小4 nmの周期を持つ二次元極性ヘッジホッグ格子が、いかなる外部境界拘束もなしに自発的に結晶化できることを示す。我々は、高性能の走査型透過電子顕微鏡法を用いて、極性ヘッジホッグ渦を実空間で観測し、その物理的性質が、変調された同位相八面体回転と逆位相八面体回転の協同的な集合であることを明らかにするとともに、これがさらにハイブリッド間接型強誘電性によって支えられていることを示す。理論計算によって、八面体回転を記述するフォノンの交換相互作用が、この興味深い双極子トポロジーの主な駆動力であることが示された。今回の知見は、層状秩序ペロブスカイトにおいて広く見られる超構造の構造と起源に関する曖昧さを解明するだけでなく、ペロブスカイトの枠を超えた非自明な構造と機能性を設計するための実現可能な枠組みを実証するものである。

