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有機化学:アルケンの脱炭酸的アルキル化

Nature 653, 8113 doi: 10.1038/s41586-026-10463-1

アルケンは、合成化学において広く用いられている官能基で、高分子(ポリマー)、洗剤、農薬、医薬品の製造に重要である。アルケンは通常、求電子剤で処理すると置換反応ではなく付加反応を起こす。そのため、化学者のツールボックスには、親アルケンから置換アルケンを形成するという直観的な逆合成的切断は存在しない。例えば、三置換アルケンから四置換アルケンへの変換や、複雑なアルケンの後期段階アルキル化によって、現在構築困難な分子を合成できるようになると思われる。アルケンの交差メタセシスによって、適切に置換されたアルケンを形式的にアルキル化できるが、ジアステレオ選択性ならびにアルケンとアルキルの組み合わせは特定の事例に限定されており、内部アルケンや環状アルケンなどのいくつかのクラスのアルケンは、既知の方法では容易にアルキル化できない。今回我々は、さまざまな分子種が容易に入手可能なカルボン酸をアルキル源として用いた、アルケンの形式的な位置選択的かつジアステレオ選択的なC–Hアルキル化について報告する。この開発の鍵は、カルボン酸誘導体からラジカルを介してC–C結合を形成するという、現在のモデルから逸脱した脱炭酸的極性アルキル化であり、レドックス活性エステルから持続的なアルキル亜鉛中間体を得るという、これまで正しく評価されていなかった経路によって可能になった。アルケンからアクセスしたアルケニルチアントレニウム塩を用いたアルキル亜鉛種のPd触媒クロスカップリングにより、高いジアステレオ選択性で置換アルケンが得られた。この変換は、さまざまなアルキル基を用いた、環状アルケン、非環状アルケン、末端アルケン、内部アルケン、一置換アルケン、二置換アルケン、三置換アルケンのアルキル化をもたらす。

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