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免疫学:脂質代謝はT細胞のフェロトーシスおよび免疫に及ぼす食餌の影響を駆動する
Nature 653, 8113 doi: 10.1038/s41586-026-10193-4
フェロトーシスは、非アポトーシス性プログラム細胞死の主要な機構の1つであり、末梢のCD4+およびCD8+ T細胞の恒常性と機能性を決定的に調節している。今回我々は、マウスにおいて、T細胞のフェロトーシス抵抗性が標準的な齧歯類用飼料の組成に大きく依存すること、また、フェロトーシスに対する食餌の影響(DEF)がT細胞の恒常性と免疫応答の調節において極めて重要な役割を担っていることを実証する。DEFは、微生物相には依存せず、食餌中の多価不飽和脂肪酸(PUFA)および一価不飽和脂肪酸(MUFA)の変動によって駆動され、これがリンパ組織やT細胞における脂質種の存在量の変動を引き起こす。これと一致して、ヒトT細胞のフェロトーシス抵抗性も、複数の健常者コホートにおける血漿脂質プロファイルと相関しており、主要な脂質クラスにおけるPUFA/MUFA比と負の関連を示した。DEFは、必須の過酸化脂質スカベンジャーであるGPX4が存在しない場合のT細胞のレジリアンスを決定し、T細胞依存性の体液性免疫、およびキメラ抗原受容体T細胞療法を含むT細胞を介した抗腫瘍免疫を広く調節する。機構としては、PUFA含有リン脂質を優先的に生合成するACSL4がT細胞で高発現しており、DEFを介した濾胞性ヘルパーT(TFH)細胞の生成および機能の調節を支えている。我々の知見は、免疫におけるDEFを駆動する上での脂質代謝の生理的意義を明らかにし、ワクチンの有効性とT細胞を介した免疫療法を高めるために脂質代謝を標的とする戦略を示唆している。

