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生態学:熱帯雨林における生物多様性のレジリアンス
Nature 652, 8112 doi: 10.1038/s41586-026-10365-2
「国連生態系回復の10年」は、生物多様性の喪失を食い止めることを目的としている。熱帯林の約60%は既に失われているか著しく劣化しており、保全目標を達成するには復元が極めて重要である。高木の回復の軌跡については集中的に研究されてきたが、生物多様性の回復に関する包括的な理解は進んでいない。本研究で我々は、ある低地熱帯林において、3界の16分類群を含む全ての栄養段階にわたり、摂動に対する抵抗性、回復時間、原生林状態への復帰率を調べることにより、それらの回復軌跡を解析した。その結果、30年以内に、個体数と多様性は90%以上回復し、組成も原生林に対して約75%の類似性を取り戻したが、完全な回復には数十年を要することが分かった。種子散布者や花粉媒介者の役割を果たす移動性動物の群集は抵抗性が高く、高木やそれらの実生よりも迅速に回復した。種組成の回復時間に対する寄与は、抵抗性よりも復帰率の方が1~2.5倍大きかった。タクソン特異的な回復時間は、単純な機構(生活史戦略や栄養段階、移動性)では説明できなかった。我々は、自然に回復しつつある二次林の保護が、生物多様性喪失を食い止めて反転させる多大な可能性を有することを示す。

