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生化学:インフルエンザポリメラーゼによる共転写性キャップスナッチングの機構
Nature 652, 8112 doi: 10.1038/s41586-026-10189-0
インフルエンザウイルスのmRNAは、キャップスナッチングと呼ばれる過程で5′キャップ(1)構造を獲得するため安定しており、核外輸送および翻訳が可能である。キャップスナッチングの過程で、ウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼ(FluPol)は、宿主のRNAポリメラーゼII(Pol II)および生成中の転写産物に結合する。次に、FluPolのエンドヌクレアーゼがキャップ付きRNA断片を切断し、これがウイルス遺伝子を転写するためのプライマーとして機能する。今回我々は、伸長因子DSIFと複合体を形成した転写中のPol IIに結合した、切断前状態におけるFluPolのクライオ電子顕微鏡構造を示す。この構造から、FluPolがPol IIとDSIFの両方と直接相互作用し、FluPolのエンドヌクレアーゼドメインをPol IIのRNA出口チャネルの近くに配置していることが分かった。これらの相互作用は、FluPolのエンドヌクレアーゼ活性および細胞内のFluPol活性に重要である。キャップスナッチング後に捕捉された2つ目の構造から、切断されたキャップ付きRNAがFluPol内で再配置され、ウイルス転写を開始させるために、その3′末端をFluPolのポリメラーゼ活性部位へと向けることが明らかになった。まとめるとこれらの結果から、FluPolによる転写共役的なキャップスナッチングの分子機構が明らかになった。

