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がん:統合的ストレス応答はリポカリン2を介して免疫回避を促進する
Nature 652, 8112 doi: 10.1038/s41586-026-10143-0
がん細胞は、統合的ストレス応答(ISR)を活性化して、ストレスに適応し、治療に抵抗する。ISRシグナルは、ATF4(activating transcription factor 4)に収斂し、代謝適応、生存、増殖に関与する細胞内因性の転写プログラムを制御する。しかし、ISR–ATF4軸が抗腫瘍免疫応答に影響を及ぼすかどうかはほとんど分かっていない。今回我々は、ATF4の欠損が、免疫系が正常なマウスにおいて、T細胞依存性抗がん免疫応答を高めることにより、腫瘍進行を著しく低下させるが、免疫不全マウスではその効果が認められないことを示す。我々は、ATF4が調節する遺伝子に対する偏りのない遺伝学的スクリーニングから、リポカリン2(LCN2)が主要なATF4依存性エフェクターであり、免疫抑制性の間質マクロファージの浸潤を促進して抗腫瘍免疫を阻害することが明らかにした。さらに我々は、LCN2が前臨床マウスモデルにおいてT細胞の排除と免疫回避を促進することを見いだし、肺腺がんおよび膵管腺がんの患者においてT細胞浸潤の低下と相関していることを確認した。抗LCN2抗体は、アグレッシブな固形腫瘍マウスモデルにおいてロバストな抗腫瘍T細胞応答を促進した。我々の研究は、ATF4–LCN2軸が抗がん免疫の抑制において細胞外因性の役割を担っていることを示しており、LCN2を標的とした免疫療法の手法への道を開く可能性を強く示唆する。

