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集団遺伝学:古代DNAから見たロシアのヤクート征服
Nature 650, 8101 doi: 10.1038/s41586-025-09856-5
シベリア北東部のヤクート人コミュニティーは、地球上で最も寒冷な環境の1つに居住しており、類を見ない考古学的記録を保持している。ヤクートの歴史はロシアによる征服によって大きく作り替えられ、1632年以降、穀物、病原体、キリスト教が導入された。しかし、これらの変容がもたらした生物学的影響は不明なままである。本研究で我々は、この時期にヤクート人のゲノム多様性と口腔マイクロバイオームに起きた変化を明らかにするために、大規模な古代DNAデータを生成した。その結果、ヤクート人の起源は、地域集団と、大モンゴル帝国の拡大に伴って移動してきたトランスバイカル集団との混血にまでさかのぼることが分かった。ロシアによる征服があっても、ヤクート人の遺伝子プールと口腔マイクロバイオームはおおむね安定していたように見えるが、天然痘ウイルスについては、1650年頃までにヨーロッパで記録されたものと異なる株が流行していた。婚姻慣習では近親婚の割合が低く維持されていたが、伝統的シャーマニズムを示す副葬品と共に見つかった最も年代の新しい1人の女性は、例外的に2親等の親族間の娘であった。

