Analysis
画像化技術:非晶質ナノ粒子の原子分解能トモグラフィー再構成の限界
Nature 649, 8099 doi: 10.1038/s41586-025-09924-w
周期結晶では、三次元原子構造の決定が日常的に行われている。しかし、科学的・技術的に重要であるにもかかわらず、そうした解析を非晶質(アモルファス)材料へと拡張することは、依然として大きな課題である。こうした状況において、原子分解能電子線トモグラフィー(AET)を用いて非晶質固体の三次元構造を決定したという最近の報告は、真に注目に値する。そうした解析は、妥当性が確認されれば画期的なものになると思われる。今回我々は、この問題に取り組み、非晶質ナノ粒子内の全原子または大部分の原子をAETが特定できるかどうか、できるとすればどのような場合に特定できるかについて調べた。我々は、AETをシミュレートすることで、AETが雑音の多い電子画像から決定できる構造的情報や化学的情報の限界を明らかにした。単原子ナノ粒子の場合、その構造は、厳密なフルエンス、サンプリング、投影の要求の下で、数十ピコメートルの原子位置精度で決定できる。一方、多元素非晶質ナノ粒子の場合、化学的同定の分解能は、雑音と実験でのサンプリングによって決定される。重い原子ほど軽い原子よりも容易に解像され、原子のピーク強度とバックグラウンド強度が重なると、化学分析に大きな不確かさが現れる。我々は、これらの知見を用いて、AETに要求されるナノ粒子のサイズ、組成、電子フルエンス、画像サンプリングを明確化した。今回の結果は、将来の実験設計のベンチマークになるとともに、AETを用いた非晶質構造決定の検証の実現可能な手法を実証している。

