Article

生理学:不妊手術と避妊法は脊椎動物全般で寿命を延ばす

Nature 649, 8099 doi: 10.1038/s41586-025-09836-9

生殖は寿命を制限し、老化における性差に関与すると考えられている。生殖を阻害するさまざまな不妊手術や避妊法があるが、これらが生存に及ぼす影響についての予測は、性別、性ホルモンの影響の受け方、種の生活史によって異なる。本研究で我々は、世界中の動物園や水族館で飼育されている哺乳類種のデータを用いて、継続的なホルモン避妊法と永久的な外科的不妊手術が、平均余命の延長と関連していることを示す。これらの影響は雌雄両方で生じるが、特定の死因からの保護のされ方は性によって異なる。雄での生存率向上の証拠は去勢に限定されており、春機発動期前に手術を行った場合に、より強い効果が現れた。既報データの補完的なメタ解析からは、脊椎動物全般で不妊手術による生存率向上と、性腺摘出された齧歯類での健康寿命の延長が明らかになった。生存率向上は実験室と野生環境で起こり、雌では卵巣除去と卵巣温存のどちらの不妊手術でも見られた。男性の去勢で報告されている生存率向上は、他の種での効果と同様だったが、女性では恒久的な外科的不妊手術後に生存率がわずかに低下した。従って、生殖を駆動するホルモンの働きは、動物の生息環境にかかわらず、脊椎動物全般で成体の生存を制限する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度