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細胞生物学:ミトコンドリア標的配列がシグナル伝達ストレスに果たす直接的な役割
Nature 649, 8099 doi: 10.1038/s41586-025-09834-x
ミトコンドリアタンパク質の搬入は、ミトコンドリアの機能維持に必要である。この過程で生じる混乱は、さまざまな生理的状況や病的状況と関連している。ミトコンドリアへのタンパク質搬入の異常によって生じる障害と闘うために、mitoCPR(mitochondrial compromised protein import response)などのいくつかのストレス応答が働いているが、搬入異常がどのような仕組みで感知されるのかはほとんど解明されていない。今回我々は、出芽酵母において、保存されているミトコンドリアシャペロンHsp70の補助因子であるMge1がストレスのメッセンジャーとして働くことを明らかにした。ミトコンドリアがストレス状態にある際には、搬入されなかったMge1が核に入り、mitoCPRの標的遺伝子の転写を引き起こす。これには、DNA調節エレメント上でのMge1と転写因子Pdr3との相互作用が関わっている。mitoCPRを誘導するにはMge1のミトコンドリア標的配列が必要であり、それだけで十分であることから、標的配列はミトコンドリアタンパク質の搬入に役割を果たすことに加え、シグナル伝達分子としても機能することが実証された。タンパク質の搬入異常はさまざまな種類のミトコンドリア損傷の結果として広く見られるので、今回の知見は、Mge1の標的配列にミトコンドリアの健常性を示す指標という新規な機能があることを示唆している。

