免疫学:VEXAS症候群における炎症と骨髄系偏向の独立した機構
Nature 649, 8099 doi: 10.1038/s41586-025-09815-0
造血幹・前駆細胞(HSPC)でのE1ユビキチン活性化酵素UBA1に生じる体細胞性の獲得変異が、成人で発症する自己炎症性症候群VEXAS(vacuoles, E1 enzyme, X linked, autoinflammatory, somatic)の原因であることが、近年特定された。VEXASのUBA1変異はHSPCや骨髄系区画でクローン増殖を引き起こすが、リンパ系区画では引き起こさない。その重症度や有病率にもかかわらず、UBA1変異が多臓器自己炎症や血液疾患を引き起こす機構は明らかにされていない。今回我々は、体細胞遺伝子編集法を用いて、初代培養マクロファージやHSPCにおいてVEXAS関連UBA1変異をモデル化した。炎症刺激に曝露されたマウスUba1変異型マクロファージは、カスパーゼ-8(CASP8)を介したアポトーシスやRIPK3–MLKLを介したネクロトーシスという異常な細胞死を起こした。これに整合して、TNFやLPSを投与したマウスでは、UBA1阻害剤であるTAK-243が、RIPK3–CASP8依存的に炎症を増悪させた。対照的に、HSPCでのUba1変異は、RIPK3–CASP8非依存的にUPR(unfolded protein response)や骨髄系への偏向を誘導した。機構としては、Uba1変異型マクロファージの異常な細胞死が、炎症シグナル伝達複合体のLys63/Met1(すなわち直鎖状)ポリユビキチン化の速度論的異常と同時に起こった。まとめると我々の結果は、VEXASの病因を、よりまれな単一遺伝子による自己炎症症候群の病因と結び付け、ユビキチン化カスケードの頂点の変異から生じる特定のユビキチン関連異常を浮き彫りにし、VEXASでは炎症性細胞死軸が治療標的となることを支持している。

