モアレ材料:整数および分数チャーン絶縁体の光学的制御
Nature 649, 8099 doi: 10.1038/s41586-025-09777-3
トポロジーの光学的制御、特に電子相関の存在下における光学的制御は、幅広い科学的・技術的影響を及ぼす興味深いテーマである。ツイスト2層MoTe2(tMoTe2)は、ゼロ磁場分数チャーン絶縁体(FCI)であり、分数量子化異常ホール効果を示す。エッジ状態のカイラリティーとチャーン数の符号は、基礎となる強磁性分極によって決まるため、強磁性の操作によってチャーン絶縁体(CI)/FCI状態の制御が実現されると思われる。今回我々は、tMoTe2における円偏光ポンピングによって、強磁性分極の制御、ひいてはCI状態とFCI状態の制御を実証する。我々は、低励起電力において、光学的トレーニング、すなわち、ヘリシティー選択的光ポンピングの下で系を非強磁性状態から所望の強磁性状態へと電気的に調整することにより、強磁性分極のオンデマンド生成を実現した。我々はさらに、励起電力を増大させて、キュリー温度をはるかに下回る温度で強磁性分極の直接光スイッチングを実現した。光学的トレーニングと直接光スイッチングは共に、CI状態およびFCI状態の近傍で最も効果的であり、我々はこれを、光ポンピングされた正孔のギャップ増強バレー分極に起因するものと考える。磁化は、光励起のヘリシティーを変化させることによって動的にスイッチングできた。空間分解測定によって、強磁性ドメイン、従ってCI(またはFCI)ドメインの光学的書き込みがさらに実証された。今回の研究は、トポロジカル量子多体系の精密な光学的制御を実現するものであり、トポロジカルスピントロニクスや量子メモリーの他、整数および分数量子化異常ホールドメインのプログラマブルパターニングによるエキゾチックエッジ状態の生成に応用できる可能性がある。

