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神経科学:損傷部から離れたアストロサイトがミクログリアによる白質の修復を管理する

Nature 649, 8098 doi: 10.1038/s41586-025-09887-y

損傷を受けた中枢神経系のうち、損傷を免れた領域は動的にリモデリングし、治療的利用に対して大きな可能性を示す。損傷から離れた位置にあるアストロサイト(LRA)は、生存しているニューロンやグリアと相互作用して反応性転換を起こすが、その分子的・機能的性質はよく分かっていない。今回我々は、複数の転写プロファイリング手法を用い、外傷性脊髄損傷後のマウス脊髄において損傷を免れた領域のLRAについて調べた。その結果、LRAが、分子的に明確に区別されて神経解剖学的に限定された一連の反応性状態を獲得し、この状態は脊髄損傷後に進化することが分かった。我々は、変性している白質内において転写的に独特な反応性LRAを特定し、これが脂質に富む髄鞘の破片を除去して組織修復を促す局所ミクログリアの仕様と機能を指示していることが分かった。このLRAの機能的適応を促進しているのは、分泌型マトリセルラータンパク質CCN1である。アストロサイト由来のCCN1を欠失させると、局所ミクログリアの過剰かつ異常な活性化が起こり、その特徴は、異常な分子的仕様、ミエリンと軸索の破片の細胞内蓄積によって反映される破片処理障害、脂質滴蓄積の顕著な減少を伴う脂質代謝の調節異常である。機構的には、CCN1はミクログリアのSDC4と結合して脂質の貯蔵を強化し、このシグナル伝達軸が、破片除去を行うミクログリアの重要な修復関連脂質緩衝応答と結び付くことが分かった。従って、アストロサイトのCCN1欠失に起因するミクログリアの障害は、白質破片除去を減弱させ、脊髄損傷からの神経学的回復の障害につながる。Ccn1を発現する白質アストロサイトは、局所的ミエリン損傷で誘導され、マウスやヒトのさまざまな脱髄障害にも見られることから、白質修復における基本的で進化的に保存された役割が示唆される。今回の知見は、文脈特異的な合図が領域特異的なLRAの反応性状態を形作り、それに伴う機能的適応が神経修復の基盤となる多細胞過程を調整して疾患転帰に影響を与えることを示している。

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