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細胞生物学:細胞質ゾルのアセチル補酵素Aはシグナル伝達代謝物としてマイトファジーを制御する

Nature 649, 8098 doi: 10.1038/s41586-025-09745-x

アセチル補酵素A(AcCoA)は栄養素代謝の中心に位置して、カノニカルなトリカルボン酸回路と非カノニカルなトリカルボン酸回路の間を行き来し、絶食などの栄養状態によって動的に調節されている。今回我々は、短時間の絶食や、ATP-クエン酸リアーゼ(ACLYがコードする)、ミトコンドリアのクエン酸/リンゴ酸対向輸送体(SLC25A1がコードする)、ACSS2(acyl-CoA synthetase short chain family member 2、ACSS2がコードする)のいずれかの阻害を通して細胞質ゾルのAcCoAレベルを低下させると、マイトファジーが起こり、このマイトファジーは酢酸の補給によって起こらなくなることを明らかにした。興味深いことに、この作用にはNLRX1(NOD-like receptor 〔NLR〕 family member X1)が関わっており、NLRX1を破壊すると、in vitroでもin vivoでも細胞質ゾルのAcCoA減少によって誘発されるマイトファジーが起こらなくなる。機構としては、ミトコンドリア外膜に局在するNLRX1が、そのロイシンリッチリピート(LRR)ドメインにある保存されたポケット内で、細胞質ゾルAcCoAと直接結合する。また、AcCoAはLRRドメインと結合して、LRRドメインとNACHT(nucleotide-binding and oligomerization)ドメインとの相互作用を強化し、これがNLRX1の自己阻害状態の維持を助け、NLRX1とLC3(light chain 3)の結合を妨げる。さらに我々は、AcCoA–NLRX1軸がKRAS阻害剤によって誘発されるマイトファジー応答の根底にあり、薬剤抵抗性を促進していることを見いだした。これは、KRAS阻害剤抵抗性の代謝機構を示している。従って細胞質ゾルAcCoAは、その受容体であるNLRX1を介して代謝とマイトファジーを結び付けるシグナル伝達代謝物である。

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