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ウイルス学:A(H5)インフルエンザ抗原空間の中心に位置するワクチンは広域免疫をもたらす
Nature 647, 8091 doi: 10.1038/s41586-025-09626-3
高病原性鳥インフルエンザA(H5)ウイルスは、世界中の野鳥や家禽に影響を及ぼし、ヒトを含む哺乳類にも重篤な感染症を引き起こしており、こうした事実は、このウイルスがパンデミック(世界的大流行)を引き起こし得ることを浮き彫りにしている。A(H5)型のヘマグルチニン(HA)の抗原進化は、パンデミックに対する備えやワクチン設計を行う上で課題を突き付けている。今回我々は、A(H5)型HAの全球的な抗原進化を、高分解能の抗原地図として捉えた。この地図を用いて、免疫原性を持ち、抗原的に中心にあるワクチンHA抗原を設計したところ、A(H5)抗原空間を広域に網羅した抗体応答が誘導された。フェレットでは、この中心抗原の1つが、抗原的に異なる2種のウイルスへの異種感染に対して、同種ワクチンと同等の防御効果を示した。今回の研究は、サブタイプ規模でのインフルエンザA(H5)のプレパンデミックワクチンの合理的な設計を示しているとともに、抗体プロファイルを通じたワクチン誘導性免疫応答を評価するための抗原地図の価値を実証している。

