環境科学:地球温暖化は山火事の健康負荷を増幅して不平等を作り変える
Nature 647, 8091 doi: 10.1038/s41586-025-09612-9
地球温暖化は山火事の頻度と規模を増大させ、温室効果ガスや汚染物質の排出を悪化させる。しかし、全球予測は依然として不完全であり、不確かな温暖化シナリオのさなかでの効果的な政策介入の妨げとなっている。今回我々は、全球の焼失面積と山火事による排出量を予測するための、解釈可能な機械学習フレームワークを開発した。このフレームワークは、将来の気候変動が火事の頻度や規模に与える影響を考慮して、火事によって生じた粒子状物質(直径2.5 μm未満の微小粒子状物質〔PM2.5〕)に関連する早期死亡数と放射強制力を定量化する。本論文では、2010〜2014年から2095〜2099年までに、共通社会経済経路(SSP)2-4.5シナリオの下では、火事による炭素排出量が23%増加すると予測されることを示す。また、火事関連エアロゾルの増加は、北緯60度以北で冷却効果を0.06 W m−2低下させると予測される。一連の予測結果は、山火事の煙による早期死亡数が急増することを示しており、その数は2095〜2099年には年間140万人(95%信頼区間:66万~225万人)に達すると見込まれ、これは現在のレベルのおよそ6倍である。アフリカでは、火事に関連する死亡数の増加が最大になる(11倍)と予測され、これは排出量の変化と人口高齢化により駆動される。ヨーロッパと米国では、SSP 2-4.5シナリオの下での死亡数の増加は1〜2倍と予測され、これは北半球中緯度域での火事発生の増加と結び付けられる。全体的に、健康負荷は、発展のレベルが異なる国々にわたり、現在のパターンよりも均等に分布するようになると考えられ、協調的な取り組みの必要性が浮き彫りになった。

