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有機化学:不斉有機触媒反応によるピラミッド型窒素キラリティーの制御
Nature 647, 8091 doi: 10.1038/s41586-025-09607-6
キラリティーは生命の要であり、一対の鏡像分子(エナンチオマー)の片方の形成を制御することが合成化学の中心的な考えとなっている。立体中心となる炭素、ケイ素、リン、硫黄の制御は一般的であるが、アミンの窒素中心は常に安定というわけではない。窒素キラリティーのエナンチオ選択的構築は限定的であり、主に、制約のあるピラミッド型構造を持つ第四級アンモニウム塩や架橋二環式アミンにおいて確立されたものである。非架橋ピラミッド型窒素キラル化合物の不斉合成は、キラル源が化学量論量を超えるという問題と、立体選択性が低いという問題を抱えている。今回我々は、キラルなブレンステッド酸触媒を用いた塩素化反応を経て非環式窒素立体中心を構築する、触媒的なエナンチオ選択的戦略を提示する。我々は、窒素が塩素化されたヒドロキシルアミンの構造と立体配置の不安定性を克服するために、立体特異的な分子内反応を設計した。結果として得られた2-アルコキシ-1,2-オキサゾリジンは良好なエナンチオ純度を示し、密度汎関数理論計算によって、塩素化過程における窒素キラリティーのエナンチオ制御が成功していることが裏付けられた。さらに、この戦略を適用して、立体配置的に安定な窒素立体中心を持つエナンチオ選択的なN-クロロアジリジンの合成に成功した。対照実験によって、この分子内求核置換についてSN2経路の証拠が得られている。

