計算生物学:ペタ塩基規模の配列リポジトリにおける効率的で正確な検索
Nature 647, 8091 doi: 10.1038/s41586-025-09603-w
公的なリポジトリで利用可能な生物の塩基配列データの量は急激に増加しており、生物医学に不可欠な研究資源となっている。しかし、これらのデータを効率的かつ高精度に全文検索できるようにするのは依然として困難である。今回我々は、大規模塩基配列セットを表現するための効率的なデータ構造とアルゴリズムを構築した。本論文で提示する「MetaGraph」は、注釈付けしたド・ブラウングラフを用いて、DNA、RNA、タンパク質の大規模な配列セットについてスケーラブルな索引を作成できる方法論的枠組みである。我々は、7つの公開情報源からのデータを統合することにより、1880万の重複のないDNAおよびRNA塩基配列セットと、2100億のアミノ酸残基を作成した。これらは、ウイルス、細菌、菌類、植物、動物、ヒトを含む生物のあらゆるクレードを網羅しており、全文検索が可能である。そして、大規模な配列リポジトリ(67ペタ〔1015〕塩基対〔Pbp〕の生配列データ)において、費用対効果の高い全文検索が実現可能であり、その検索コストは、最大1メガ塩基対(Mbp)の小規模クエリの場合にはオンデマンドでおよそ100米ドル、大規模クエリの場合には検索クエリ1 Mbp当たり0.74米ドルまで抑えられることを実証する。我々は、この全ての公開生物学的配列の高圧縮表現は、一般消費者向けハードドライブ数台(総コストは約2500米ドル)に収まることを示す。このため、費用対効果が高く、さらなる解析のための持ち運びも容易になる。我々が、既存アーカイブから興味深い関連性をマイニングするいくつかの実用的な使用事例を検討したところ、我々の索引が統合解析に使用できることが実証されるとともに、こうした能力が生物医学研究の進展を触媒し得る態勢にあることが例証された。

