Article

古生物学:新たな化石で明らかになったパラントロプス・ボイセイの手

Nature 647, 8091 doi: 10.1038/s41586-025-09594-8

メアリー・リーキーが、パラントロプス・ボイセイ(Paranthropus boisei)の頭蓋骨OH 5をオルドワン石器群と共に発見した時、このヒト族は「これまでに発見された中で最古の石器製作者」として報告された。以来、パラントロプス属が実際に道具を製作・使用していたかどうかに関して議論が続いているが、これは主に、確実にこの属のものと判断できる既知の手骨が存在しなかったためである。本論文で我々は、パラントロプス・ボイセイの頭蓋および歯の標本と明確に関連付けられる、手足の骨の化石を報告する。この骨格標本KNM-ER 101000は、パラントロプス・ボイセイが、道具の操作および二足歩行に関する主要な適応をヒト属(Homo)と共有していたことを示している。さらに、KNM-ER 101000の手の形態はゴリラのものに類似していて、手による食物の処理と矛盾せず、木登りで使うような力強い把持を促進したと考えられる。これら一連の化石は、パラントロプス・ボイセイがある程度の道具製作・使用能力を備えていたことを示唆する一方で、パラントロプス属とヒト属の間には食性適応に明確な差異があったとする説も支持している。今回の発見は、パラントロプス属のこれまでほとんど知られていなかった頭蓋後方の機能的構造に関して知見をもたらすとともに、ヒト族の手の進化と道具使用にはより広範なパターンが存在したことを明らかにしている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度