Article

細胞生物学:リボヌクレオチドのミトコンドリアDNAへの取り込みは炎症を誘導する

Nature 647, 8090 doi: 10.1038/s41586-025-09541-7

代謝の調節不全は炎症反応を誘導する可能性がある。ヌクレオチド合成の不均衡は、ミトコンドリアDNA(mtDNA)の細胞質ゾルへの放出や、cGAS–STINGシグナル伝達を介した自然免疫応答を引き起こす。しかし、ヌクレオチドの欠乏がmtDNA依存的な炎症を誘導する仕組みについては、まだ解明されていない。今回我々は、ミトコンドリアのエキソヌクレアーゼMGME1を欠損したマウスモデルでの加齢依存的な腎炎や、老齢マウスのさまざまな組織、ミトコンドリアのi-AAAプロテアーゼであるYME1Lを欠損した細胞において、ヌクレオチドの不均衡がmtDNAへのリボヌクレオチドの誤った取り込みを増加させることを示す。同様に、デオキシリボヌクレオチド合成の減少は、細胞周期が停止した老化細胞におけるmtDNAのリボヌクレオチド含有量を増加させた。これが、mtDNAの細胞質ゾルへの放出、cGAS–STING活性化、そしてmtDNA依存的な老化関連分泌表現型(SASP)を引き起こし、これらはデオキシリボヌクレオシドの外因的な付加によって抑制することができた。我々の結果は、異常なリボヌクレオチド取り込みに対するmtDNAの感受性を浮き彫りにし、ヌクレオチド代謝の不均衡は、加齢依存的およびmtDNA依存的な炎症反応や、老化に伴うSASPを誘導することを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度