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物性物理学:周波数依存性を示すフォノン異方性の原子スケールでの可視化

Nature 645, 8082 doi: 10.1038/s41586-025-09511-z

個々のフォノンモードにおける振動の異方性を直接可視化することは、材料中のさまざまな興味深い光学的、熱的、弾性的な現象を理解する上で不可欠である。振動異方性の推定には従来の光学技術や回折技術が使われてきたが、こうした技術では、詳細な情報を得るのに必要な空間分解能とエネルギー分解能は達成できていない。今回我々は、周波数と対称性に依存する振動異方性の元素分解された画像化を原子分解能で可能にする、新しい形の運動量選択的電子エネルギー損失分光法を提示する。振動異方性は、熱楕円体として知られる直交原子変位の異なるノルムとして現れる。我々は、中心対称のチタン酸ストロンチウムをモデル系として用いて、60 meV未満の扁平な熱楕円体、60 meVを上回る扁長な熱楕円体という、対照的な異方性を有する2つの異なるタイプの酸素振動を観測した。非中心対称のチタン酸バリウムでは、今回の手法は、55 meV付近にアピカル酸素サイトとエカトリアル酸素サイトの間のq選択的信号の予想外の変調を観測することによって、酸素八面体の微細なゆがみを検出でき、これは、結晶対称性の低下に起因するもので、強誘電分極と関連する可能性もある。これらの観測結果は理論モデル化によって定量的に裏付けられ、これにより今回の手法の信頼性が実証された。測定された周波数依存性の振動異方性は、音響フォノンと光学フォノンに支配される誘電的挙動や熱的挙動に新たな光を当てる。特定の結晶学的サイトにおけるフォノン固有ベクトルを、これまでにない空間分解能とエネルギー分解能で可視化する能力によって、誘電特性、光学特性、熱特性、超伝導特性の探求に向けた新たな道が開かれる。

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