化学:化学反応の超空間とネットワークのロボット支援マッピング
Nature 645, 8082 doi: 10.1038/s41586-025-09490-1
数十年に及ぶ研究にもかかわらず、反応条件によって規定される多次元の「超空間」にわたって化学反応の結果がどのように変化するのかは、まだよく分かっていない(そして予測が困難である)。人間の化学者はこうした多様体の限られた一部しか探索できないのに対し、自動プラットフォームは数千もの反応を並行して生成できる。しかし、時間のかかる資源集約的な分析技術によって制約され、精製と収率の定量化が依然としてボトルネックとなっている。その結果、反応の超空間に対する我々の理解は依然として断片的である。収率の分布は滑らかなのか波打っているのか? それによって機構的に新しい反応が隠れてしまっているのか? 主生成物は領域ごとに異なる可能性があるのか? 今回我々は、これらの疑問に対処するために、主に光学検出を用いて生成物と副生成物の収率をかつてないスループットと1条件当たり最低限のコストで定量化する、低コストのロボットプラットフォームを開発した。我々は、数千の条件にわたって超空間を走査することにより、連続変数(濃度、温度)では、個々の収率分布が概して緩やかに変化することを見いだし、それを数学的に証明した。同時に、主生成物の切り替えだけでなく、予期せぬ反応性の超空間領域を明らかにした。さらに我々は、基質の割合を系統的に調べることによって、基礎となる反応ネットワークを再構築するとともに、1世紀以上にわたり研究されてきた反応においてさえ隠れた中間体や生成物があることを明らかにした。この超空間走査方法によって、反応の最適化や発見のための汎用的でスケーラブルな枠組みが得られる。重要なのは、この方法が、複雑な混合物をさまざまな主要生成物に向けてきれいに駆動する条件を特定するのに役立ち、それにより、合成の多様性が拡張される一方で化学的入力要件が軽減され得ることである。

