Article
分子生物学:NASPはヒストンの代謝回転を調節してPARP阻害剤抵抗性を引き起こす
Nature 645, 8082 doi: 10.1038/s41586-025-09414-z
ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ阻害剤(PARPi)というクラスの薬剤は、相同組換えに欠陥のある腫瘍を持つ患者の治療を大幅に進歩させたが、抵抗性は依然として難問のままである。抵抗性への取り組みとしては、ほとんどの研究がPARPi曝露の下流の帰結に焦点を絞っているが、PARPの阻害がクロマチン環境に与える直接の影響や、それがPARPiの毒性にどのように寄与するかはいまだに解明されていない。今回我々は、PARP阻害がクロマチンからのヒストン遊離を引き起こすことを示す。これは、上昇したDNA複製速度の維持と生存のためにヒストンの恒常性維持を必要とするPARPi抵抗性のがん細胞に脆弱性をもたらす。機能的遺伝子スクリーニングを行ったところ、NASPがそのTPRモチーフを介して、排除されたヒストンの安定性維持に寄与する重要な因子であることが突き止められた。腫瘍細胞は、NASPを失うとin vitroでもin vivoでもPARPi治療に対して高度に感受性となり、複製フォークは前進できなくなって、複製に関連したDNA損傷レベルが上昇する。さらに、NASPはINO80複合体やPARP1のシャペロン活性と協調して働いてヒストンの効率の高い代謝回転を促進し、致命的なDNA損傷の蓄積を防ぐ。これらの知見を総合すると、PARPi治療に対する直接の細胞応答はヒストンの排除であることが分かり、PARPi抵抗性を克服するためにヒストン供給経路を標的にするという有望な方法がもたらされた。

