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分子生物学:活性な大腸菌ゲノムと抑制された大腸菌ゲノムの基本的な3D構造

Nature 645, 8082 doi: 10.1038/s41586-025-09396-y

ゲノムがどのように空間内に配置され、その三次元(3D)構造がどのようにして細胞機能を駆動しているのかは、いまだに生物学における重要な問題であり続けている。細菌では、ゲノムDNAは高度に組織化されて凝縮し、核様体と呼ばれる状態になっている。この数十年間に、細菌ゲノムの3D構造は解明が進んだものの、核様体の微細構造や機能的構成は、Hi-C法などの手法で得られるコンタクトマップの分解能が低いためにいまだに明らかになっていない。今回我々は、強化型マイクロ-C染色体コンホメーション捕捉法を開発し、10塩基対(bp)の分解能を達成した。この超高分解能解析によって、大腸菌(Escherichia coli)核様体中の基本的空間構造が、染色体ヘアピン構造(CHIN)と染色体ヘアピン領域(CHID)を含めて、明らかになった。これらの構造は、ヒストン様タンパク質H-NSとStpAによって構築され、水平伝播された遺伝子の抑制に重要な役割を果たしている。H-NSを破壊すると、3Dゲノムの抜本的な再構築が起こり、CHINとCHIDが減少した。一方、H-NSとStpAの両方を除去すると、CHINとCHIDが完全に解離し、水平伝播遺伝子の転写が増加して、増殖が遅くなった。同様な作用は、ATの多いDNAへの結合に関してH-NSやStpAと競合するネトロプシンでも観察された。ゲノムはCHIN同士の相互作用によってさらに組織化され、個々の孤立したループとなり、これによって活性なオペロンの絶縁が可能になる。我々のMicro-C解析によって、活発に転写されている遺伝子は全て、異なったオペロンのサイズに応じた染色体相互作用ドメイン(OPCID)を形成しており、その形成は転写に依存していることが明らかになった。これらの構造はMicro-C地図上で転写領域全体との継続的な接触を反映しており、正方形のパターンを呈する。この研究によって、大腸菌の核様体の基本的な構造要素が判明し、核様体関連タンパク質や転写装置との結び付きが明確になった。

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