Article

免疫学:AAVベクターによるHIV-1 bNAbの送達を幼少期に成功させるための決定因子

Nature 645, 8082 doi: 10.1038/s41586-025-09330-2

HIV-1の予防には進展が見られるが、垂直感染は開発途上国ではいまだに差し迫った問題である。HIV-1予防に広域中和抗体(bNAb)が有望であることを考え、我々はアデノ随伴ウイルス(AAV)を用いたbNAbの新生児への送達によって、乳児期に持続性のあるHIV-1免疫をもたらすことができるという仮説を立てた。本論文で我々は、アカゲザル(Macaca mulatta)の乳仔をモデルとして用い、bNAb 3BNC117をコードするAAVベクターを出生時に単回投与することで、再投与なしにbNAbの発現が3年以上持続することを示す。この方法は、授乳や性交によるHIV-1伝播を模倣した粘膜チャレンジモデルにおいて、乳仔および思春期前の両方で、アカゲザルをサル–ヒト免疫不全ウイルス感染から有意に保護した。AAV-3BNC117投与時の年齢が、成功の主要な決定因子であり、bNAbの発現を制限する宿主の抗薬物抗体の発生と逆相関していた。新生児免疫寛容の原理と一致して、アカゲザルの新生仔は、より年長の乳仔や幼時(juvenile)の個体よりも、AAV-3BNC117投与後のbNAb発現レベルが高かった。さらに、組換え3BNC117に対するin utero曝露は抗薬物抗体を抑制し、より年長の乳仔で、AAVベクターによるこのbNAbの送達を改善した。従って我々の結果は、新生仔や胎仔の免疫学的寛容が、霊長類における出生後のHIV-1 bNAb抗体のHIV-1 bNAbのAAV送達の改善に利用できることを示唆している。出生時のAAVベクターの単回投与は、アカゲザルで数年持続するHIV-1免疫を生じさせることが可能であるため、今後の研究は、この戦略がヒトにおいて周産期や青年期のHIV-1感染を予防する能力を評価すべきである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度