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構造生物学:ヒトのミトコンドリアピルビン酸輸送体の構造と機構

Nature 641, 8061 doi: 10.1038/s41586-025-08873-8

ミトコンドリアピルビン酸輸送体(MPC)はミトコンドリア内膜にあるタンパク質複合体で、トリカルボン酸回路への主な炭素供給源であるピルビン酸のミトコンドリアマトリックスへの取り込みに必須である。今回我々は、3つの状態にあるヒトMPCの6個のクライオ電子顕微鏡構造を示す。それらは、膜間腔(IMS)が開状態にある3つの構造(それぞれ異なる条件下で得られたもの)、閉じた状態にあるピルビン酸処理MPCの構造、マトリックスに面した状態にある2つの構造(1つは阻害剤UK5099と結合しており、もう1つはマトリックス側にある阻害性のナノボディーと結合している)である。MPCはMPC1とMPC2からなるヘテロ二量体であり、擬C2対称状態をとっている膜貫通ドメインを持つ。IMSの開状態と閉状態の間では近似剛体運動が起こる。その一方で、主にマトリックス側で起こる構造変化によって、閉状態とマトリックスへ面した状態の間での移行が促進されることが分かり、これによって、ピルビン酸輸送の際の交互アクセス機構が明らかになった。UK5099が結合した構造では、この阻害剤がマトリックス側へ向けて開いたポケットとぴったりフィットして、広範囲にわたって相互作用している。我々の知見により、MPCが仲介する基質輸送の基盤となる機構への重要な知見がもたらされ、UK5099によるMPCの認識と阻害が明らかになった。これによって、MPCを標的とする薬剤のこれからの開発が促進されるだろう。

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