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がん:ヒトグリオブラストーマの脳規模の神経回路コネクトーム
Nature 641, 8061 doi: 10.1038/s41586-025-08634-7
グリオブラストーマ(神経膠芽腫、GBM)は脳に浸潤し、ニューロンによるシナプス支配を受けることがあり、これが腫瘍の進行を駆動する。これまでに見つかっているGBM細胞へのシナプス入力は、主に短距離かつグルタミン作動性である。GBMが脳規模の神経回路にどの程度組み込まれているのかは明らかにされていない。今回我々は、狂犬病ウイルスおよび単純ヘルペスウイルスを介した経単一シナプス追跡法を応用して、成体マウスに移植したヒトGBMオルガノイドの回路への組み込みを体系的に調べた。その結果、複数の患者由来のGBM細胞は、脳全体に及ぶ局所的および長距離の多様な神経回路に速やかに組み込まれることが明らかになった。グルタミン作動性の入力以外にも、前脳基底部のコリン作動性ニューロンとGBM細胞間のシナプスなどで、さまざまな神経調節性の入力が見つかった。急性のアセチルコリン刺激は、代謝型CHRM3受容体を介して、GBM細胞のカルシウム振動の長期的な上昇と転写再プログラム化を引き起こし、GBM細胞をより運動性の高い状態へと誘導した。CHRM3の活性化はGBM細胞の運動性を高める一方で、CHRM3を下方調節するとGBM細胞の運動性が抑制され、マウスの生存期間が延長した。これらの結果をまとめると、ヒトGBM細胞には、異なる神経伝達物質系の解剖学的に多様な神経ネットワークに急速かつロバストに組み込まれるという著しい能力があることが明らかになった。さらに、我々の知見は、上流のニューロンの急速な結合と一時的な活性化が、腫瘍の適応度を長期的に上昇させ得るというモデルを裏付けるものである。

