生態系生態学:アマゾンの森林の生物地理学が干ばつに対する復元力と脆弱性を予測する
Nature 631, 8019 doi: 10.1038/s41586-024-07568-w
アマゾン川流域には地球上で最も広大な熱帯林が広がっているが、森林伐採や気候変動関連の干ばつによってこれらの森林が転換点を超えて崩壊へと向かう恐れが増す中、大気中のCO2を吸収するアマゾンの炭素シンクは縮小しつつある。森林が干ばつに対して示す応答は複雑で、復元力(光合成による緑化)と脆弱性(褐変および樹木枯死)の両方が認められ、これを気候の多様性のみで説明するのは困難である。今回我々は、リモートセンシングで得られた光合成指数と地上で測定された樹木の個体群動態を組み合わせて、手付かずのさまざまな森林エコトープ(地下水位、土壌肥沃度および土性、ならびに植生の特徴によって定義される)の干ばつに対する復元力と脆弱性の根底にある機構を明らかにした。肥沃度が高いアマゾン川流域南部では、干ばつへの応答は地下水位によって形作られており、水位が浅い森林(水利用可能量が多く、過剰な太陽光への応答が強化される)では復元力のある緑化が見られたのに対し、水位が深い森林では脆弱性が見られた(褐変および過剰な樹木枯死)。注目すべきことに、地下水位の浅い森林の復元力は、干ばつが長引くと衰えた。対照的に、肥沃度の低いアマゾン川流域北部は、生育が遅いが耐久力のある樹木(あるいは、根が深くて水利用しやすい樹高の高い森林)からなり、地下水位に関係なく、干ばつに対する復元力のより高い森林を支えていた。干ばつへの応答に関するこうした機能的生物地理学は、保全の意思決定の枠組みをもたらすとともに、未来の気候変動に対する森林の不均一な応答の予測を改善し、アマゾン川流域の極めて生産力の高い森林は直面しているリスクも極めて大きいこと、そして、干ばつの長期化と頻発化がアマゾンの森林の復元力に関する各種の生態水文学的な戦略や能力を弱めていることを警告している。

