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微生物学:NusGの補償的進化は薬剤耐性結核菌の適応度を向上させる

Nature 628, 8006 doi: 10.1038/s41586-024-07206-5

薬剤耐性菌は、薬剤感受性のあるそれらの祖先株よりも適応度が低いことが多いにもかかわらず、世界的な脅威となり始めている。本研究で我々は、病原菌である結核菌(Mycobacterium tuberculosis)で、リファンピシン抵抗性(RifR)の適応度コストを駆動もしくは減弱させる機構の解明を試みた。リファンピシンはRNAポリメラーゼ(PNAP)を阻害し、現代の短期結核治療の要である。しかし、RifR結核菌は薬剤耐性菌による全死亡の4分の1を占めている。我々は、RifR結核菌において、比較機能ゲノミクス的手法を用いることで、CRISPR干渉法(CRISPRi)による阻害に対して異なる脆弱性を示す過程を明らかにした。ヒットした中で、普遍的に保存されている転写因子NusGが、RifR結核菌の適応度に重要であることが分かった。NusGは、大腸菌(Escherichia coli)で担っている役割とは対照的に、結核菌では不可欠なRNAP停止誘導機能を有しており、これはRNAPおよび転写中のDNAとの独特な接触を介したものである。この停止誘導に関わるNusGとRNAPの境界面は、RifR結核菌の臨床分離株において正の選択を受けていることが見いだされた。NusGとRNAPの境界面での変異は、停止誘導活性を低下させ、RifR結核菌の適応度を増加させた。まとめると、これらの結果によって、過剰なRNAPの停止が結核菌でのRifRの適応度コストを駆動する分子機構であることが明らかになり、このコストを打開する新しい補償機構が突き止められ、その適応度コストを悪化させるための合理的な方法が示唆された。今回の結果は、より広義には、結核菌でのRifR進化を遅らせる薬剤併用法を開発する新たな治療手法に対する情報となり得る。

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