Review

構造生物学:クライオ電子顕微鏡で構造生物学と細胞生物学を結び付ける

Nature 628, 8006 doi: 10.1038/s41586-024-07198-2

細胞過程の働く仕組みを理解するには、それに関わっている巨大分子の構造についての知識が必要だという考えには、生命科学者のほとんどが賛成するだろう。DNAの二重らせんという性質が解明されたことで、遺伝情報の保存、複製、修復が行われる仕組みの重要な側面が明らかになったのは、その一例である。しかし、本来還元主義的である構造生物学では大量の巨大分子の精製が必要であり、そうした巨大分子からは大きめの機能単位が切り取られていることが多い。クライオ電子顕微鏡(クライオEM)の出現によって、機能を持った大きいままの複合体や、発現や精製、結晶化の難しい試料の研究は一般的に非常に行いやすくなった。だが、クライオEMであっても、依然として精製は必要であり、そのため巨大分子をそれが機能したり共存したりしている生態環境から取り出して、つまり外部で可視化しなければならない。これとは逆に、細胞生物学者たちは急速に進化しつつある多数の技術を使って細胞を可視化しており、それによって空間的・時間的に調べられる範囲は広がり続けているが、化学的理解が可能になる分解能からは常にかけ離れている。つまり、構造生物学と細胞生物学は、細胞内部の働きについて相補的ではあるが、相互に関連付けられていない見解を提供していることになる。本総説で我々は、巨大分子をin situで可視化するための連結手段としてクライオEMとクライオ電子線トモグラフィーの連携が非常に有望であり、巨大分子が複雑な混合物中で、そして最終的には細胞自体の内部で相互作用する際の包括的な構造の可視化において、大いに期待できることについて論じる。

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