Article

量子物理学:60個の原子のアナログ量子シミュレーターにおける高度にエンタングルした状態のベンチマーク

Nature 628, 8006 doi: 10.1038/s41586-024-07173-x

量子系は、高度にエンタングルした量子状態を表現するために古典コンピューターでは近似が必要となる、競合の領域に入っている。しかし、この古典的精度を超える領域では、量子系と古典系の忠実度の比較は、今のところデジタル量子デバイスに限定されており、実験での実際のエンタングルメントの内容を推定する方法は依然未解決である。今回我々は、60個の原子のアナログ・リュードベリ量子シミュレーターを用いて忠実度ベンチマークと混合状態エンタングルメントの推定を行い、厳密な古典シミュレーションが実用的でなくなる高エンタングルメント・エントロピー領域に到達した。我々のベンチマークプロトコルでは、エンタングルメントの限界値を変化させながら、今回導入した近似的な古典アルゴリズムに対する比較からの外挿を行う。次に我々は、実験的な混合状態エンタングルメントの推定器を開発して実証することで、今回の実験が、ランダムな回路発展を行う最先端のデジタル量子デバイスと競合するものであることを見いだした。さらに我々は、実験的忠実度を、さまざまな近似的古典アルゴリズムによって達成された忠実度と比較し、我々が導入したアルゴリズムのみが、今回使用した古典的ハードウエアにおける実験に対応できることを見いだした。今回の結果によって、古典的精度を超える領域でエンタングルメントを生成するアナログ量子デバイスとデジタル量子デバイスの両方の能力を評価する新しいモデルの実現が可能になり、量子系と古典系の間で進展していく隔たりが浮き彫りになった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度