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免疫学:眼の区画化されたリンパ系は眼–脳免疫を仲介している
Nature 628, 8006 doi: 10.1038/s41586-024-07130-8
眼は、解剖学的には中枢神経系(CNS)の延長であり、その分子や細胞の多くが脳と類似している。最近の研究で、脳の変化が眼、特に網膜に反映されている場合が多いことが示された。だが、眼の後部とそれ以外のCNS組織との間に免疫学的関連がある可能性については、まだ調べられていない。今回我々は、脳での単純ヘルペスウイルスに対する免疫応答を調べて、硝子体内への免疫付与によって、マウスが頭蓋内のウイルス曝露から守られることを明らかにした。この防御効果は細菌や腫瘍にまで及び、硝子体内への免疫付与によってグリオブラストーマ(神経膠芽腫)に対して治療効果のある免疫応答が引き起こされた。さらに、眼の前部区画と後部区画には異なったリンパ排出系が存在し、後部区画の系は視神経鞘中のリンパ管構造を介して深頸リンパ節への排出を行っていることが明らかになった。この後部区画系からのリンパ排出は、髄膜のリンパ管の場合と同様に、リンパ管刺激因子であるVEGFCによる調節が可能である。逆に、視神経でのリンパ管を介するシグナル伝達の阻害は、アデノ随伴ウイルスに対する免疫応答を減弱させ、複数回投与後の効果を確実に持続させることによって、遺伝子治療における大きな制約を克服できる可能性があることが分かった。これらの結果は、眼の後部区画と脳との間ではリンパ回路が共有されていて統一的な免疫応答を引き起こせることを明らかにしており、これまで研究が不十分だった眼の免疫特性を明らかにし、眼およびCNSの疾患での新しい治療戦略の可能性に道を開くものだ。

