Analysis

有機LED:TADFベースの有機LEDにおける効率ロールオフの性能指数

Nature 627, 8005 doi: 10.1038/s41586-024-07149-x

有機発光ダイオード(OLED)は、携帯電話やテレビにおける商品化に成功した画期的な発光ディスプレイ技術である。注入された電荷は一重項励起子と三重項励起子の両方を形成するが、高い効率を得るには、一重項だけでなく三重項も発光可能にすることが重要である。現在、通常は重金属原子を用いるりん光発光体の代替材料として、熱活性化遅延蛍光(TADF)によって三重項励起子を有効利用できる材料が、非常に活発な研究分野となっている。大きな進歩はあるものの、大半のTADF OLEDでは、駆動電流が増大すると効率は著しく低下し、これは、効率ロールオフと呼ばれている。これまでのところ、多くの文献では、効率ロールオフは、一重項励起状態と三重項励起状態のエネルギー差(ΔEST)を最小にして逆項間交差による三重項から一重項への変換速度(kRISC)を最大にすることによって減少するはずだと示唆されている。今回我々は、さまざまなTADF OLEDにおける効率ロールオフを分析し、これらのパラメーターのいずれも、報告された効率ロールオフを完全には説明しないことを見いだした。我々は、TADF材料における一重項と三重項の間の動的平衡を考慮することによって、効率ロールオフを低減させる材料設計のための性能指数を提案し、既報のTADF OLEDのデータとの相関について論じる。今回の新しい性能指数は、効率ロールオフを低減させ得るTADF材料の設計と開発の指針になると思われる。この性能指数はまた、現実的なディスプレイ動作条件におけるTADF OLEDの効率を向上させ、照明、拡張現実、レーザー発振などの高輝度を必要とする用途へTADF材料の使用を拡大するのに役立つだろう。

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