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分子生物学:自律性トランスポゾンは体細胞での抑制が確実に起こるように自身の塩基配列を調整する

Nature 626, 8001 doi: 10.1038/s41586-024-07081-0

転位性遺伝因子(TE)はヒト遺伝子の主要な構成要素で、イントロン領域の約半分を占めている。メッセンジャーRNA前駆体の合成の際に、イントロンのTEは宿主遺伝子と共に転写されるが、イントロンと一緒にスプライシングで切り出され、すぐに分解されるため、最終的なmRNA産物に含まれることはまれである。矛盾するようだが、TEはRNAプロセシングシグナルの豊富な供給源であり、それらを介して新たなイントロンやキメラ転写産物(機能がある場合もない場合もある)を生じる可能性がある。こういった事象がまれであることは、宿主のmRNA前駆体のプロセシングを損なわずにTEのエキソン化を抑制できる、復元力のあるスプライシングコードの存在を意味している。今回我々は、SAFBタンパク質がL1エレメントのレトロトランスポジションを防いでゲノムの完全性を守ると同時に、以前に組み込まれたTEのエキソン化を防いで、スプライシングの完全性を維持していることを明らかにする。このような独特の二重機能が可能なのは、L1の保存されたアデノシンに富むコード配列にSAFBタンパク質が結合するからである。このSAFBの抑制活性は、組織特異的な巨大タンパク質をコードするカセットエキソン、入れ子遺伝子、DNAトランスポゾンTiggerにまで及ぶ。さらにSAFBは、LTR/ERVエレメントがいまだに活性を持つマウスやハエのような生物種でも、LTR/ERVエレメントを抑制する。体細胞ではSAFBによって抑制されているスプライシング事象のかなりの部分が、精巣で活性化されており、これは減数分裂後の精細胞でSAFBの発現レベルが低いことと、よく符合する。これらは外部の病原体と戦う自然免疫系と適応免疫系の分業体制とよく似ており、今回の知見によって、SAFBタンパク質は体細胞におけるTEに対するRNAベースのパターン誘導性非適応型防御機構であり、生殖細胞系列のRNAベースの適応型piRNA(Piwi-interacting RNA)経路を補完していることが明らかになった。

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