免疫学:骨髄の形質細胞は細胞外ATPを感知するためにP2RX4を必要とする
Nature 626, 8001 doi: 10.1038/s41586-024-07047-2
形質細胞は大量の抗体を産生するため、免疫防御において必須の役割を担っている。長寿命形質細胞サブセットなど、骨髄に存在する形質細胞は、微小環境と結び付いた生存シグナルに依存しているが、このシグナルはほとんど解明されていない。今回我々は、骨髄の形質細胞が、リガンド依存性プリン作動性イオンチャネルP2RX4を用い、骨髄の骨芽細胞からギャップ結合タンパク質であるパネキシン3(PANX3)を介して放出された細胞外ATPを感知することを示す。Panx3あるいはP2rx4の変異はそれぞれ、血清抗体の減少と骨髄の形質細胞の選択的喪失を引き起こした。PANX3ヌル骨芽細胞は、野生型の骨芽細胞と比較して、in vitroで細胞外ATPの分泌が少なく、形質細胞を長期生存させることができなかった。P2RX4特異的阻害剤の5-BDBDは、in vitroで骨髄形質細胞に及ぼす細胞外ATPの影響をなくし、in vivoで骨髄形質細胞を激減させた。また、事前に誘導した抗原特異的な血清抗体価を低下させ、投与後のリバウンドをほぼ示さなかった。さらに、2つの体液性自己免疫マウスモデルでは、P2RX4の阻害により自己抗体価や腎疾患の減弱も見られた。短期的なP2RX4阻害がATF4などの小胞体ストレス調節タンパク質の蓄積を引き起こすこと、また、ATF4が調節するアポトーシス促進因子ChopのB細胞系譜での変異がP2RX4阻害による骨髄の形質細胞死を防止することから、P2RX4は小胞体の恒常性を調節することにより、形質細胞の生存を促進することが分かった。従って、成熟した防御的な形質細胞や病原性を持つ形質細胞を生み出すには、PANX3を介して骨髄ニッチ細胞から放出された細胞外ATPが制御するP2RX4シグナル伝達が必要である。

