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分子生物学:細菌のリボソーム冬眠因子の新しいファミリー

Nature 626, 8001 doi: 10.1038/s41586-024-07041-8

飢餓やストレスの際には、多くの生物がエネルギーを節約するために冬眠因子タンパク質を用いてタンパク質合成を抑制し、リボソームの損傷を防いでいる。細菌では、冬眠因子の2つのファミリーが報告されているが、これらのタンパク質はあまり保存されておらず、また種や生息場所、環境ストレッサーが非常に多様であることが、冬眠因子の発見を難しくしている。今回我々は、クライオ電子顕微鏡と遺伝学、生化学の手法を組み合わせることにより、好冷細菌であるPsychrobacter urativoransで新たな冬眠因子Balonを明らかにした。Balonはアーキア-真核生物翻訳因子aeRF1の遠縁のホモログであり、代表的な細菌の20%で見つかる。低温ショック条件下あるいは増殖の定常期では、BalonはEF-Tuと複合体を形成して空のリボソームおよび活発に翻訳中のリボソームの両方でリボソームA部位を占有することから、細胞のストレス応答でEF-Tuが果たす予想外の役割が明らかになった。Balonは、A部位に結合する典型的な基質とは異なり、mRNAに依存することなくリボソームに結合して、新たな様式のリボソーム冬眠を開始させ、この冬眠はリボソームがまだタンパク質合成を行っている間に始まることがある。我々の研究は、Balon–EF-Tuによって調節されるリボソーム冬眠が、細菌の広く見られるストレス応答機構であることを示唆しており、さらに我々は、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)細菌のBalonホモログと推定されるタンパク質が同様の方式でリボソームに結合することを実証した。この知見は、一般的なモデル生物から推定されたリボソーム冬眠の現在のモデルの見直しを求めるものであり、リボソーム冬眠の理解や研究の方法に大きく関わってくる。

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