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高分子化学:液–液相分離を通してタクトイドを形成する超分子ポリマー

Nature 626, 8001 doi: 10.1038/s41586-024-07034-7

最近、生体高分子(バイオポリマー)の液–液相分離(LLPS)が、多数の生物学的機能を有する「膜のない細胞小器官」の形成に中心的な役割を果たすことが示されている。LLPSと巨大分子凝縮の相互影響は、たゆまぬ研究の一部である。合成超分子ポリマーは、非共有結合性巨大分子等価体であるが、LLPSを起こすことはまだ報告されていない。今回我々は、合成成分の超分子重合によって得られる連続的に成長するフィブリルが、エントロピー駆動経路による高異方性水性液滴(タクトイド)への相分離の原因となることを示す。デキストラン濃度によって調節されるクラウディング環境は、超分子重合の速度論だけでなく、相分離の速度論、最終的なタクトイドの形態、内部秩序、流動性、機械的特性などのLLPS特性にも影響を及ぼす。加えて、基板–液体界面や液体–液体界面が超分子ポリマーのLLPSを加速できることが立証され、これにより、表面におけるマイクロメートル長のタクトイドの高秩序配列を含め、数多くの三次元秩序構造の生成が可能になった。数種の超分子ポリマーを用いて、超分子重合の普遍性と新しい形態を制御する多くの可能性が実証されたことで、安定化LLPSによる高構造化水溶液からナノスケールのソフトマターまで、新たな物質分野が開かれる。

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