医用生体工学:臨床応用に向けて高精度の時間的・空間的な光刺激を可能にするモノリシックシリコン
Nature 626, 8001 doi: 10.1038/s41586-024-07016-9
電極を用いた電気刺激は、脳深部刺激装置や心臓ペースメーカーなど、いくつかの臨床用バイオ電子デバイスの基盤技術である。しかし、リード(導線)を用いずに多数の場所を刺激するリードレスマルチサイト光刺激には、電極アレイの技術的困難さとその空間的アクセスの制限による制約がある。光遺伝学は、光学的に制御された、任意で高精度の時間的・空間的光刺激を可能にするが、臨床応用には課題がある。本論文で我々は、半導体による生体調節インターフェースに基づく非遺伝学的なプラットフォームを用いて、光刺激によって心拍動を時間的・空間的に制御したことを示す。我々は、光電気化学的電流を時間的・空間的に測定することによって、4つのモノリシックなリードレス光電気化学シリコンデバイスで光刺激の大きさ、精度、確度、分解能を評価した。我々は、いくつかの領域と空間的範囲を標的とした培養心筋細胞(CM)の光学オーバードライブペーシング、ランゲンドルフ装置における摘出ラット心臓、虚血モデルにおけるin vivoラット心臓、経胸壁光学ペーシングを用いたin vivoマウス心臓モデルを通して、このデバイスのオプトエレクトロニクス機能を実証した。また、我々の知る限りでは初の、in vivoでのブタ心臓の光学オーバードライブペーシングとマルチサイトペーシングも行った。今回のシステムは、このシステムに最適化された内視鏡的送達デバイスを用いた低侵襲手術に容易に適応させることができ、我々はこれを用いて、開胸せずに内視鏡下手術によって光刺激を実証した。今回の結果は、リード留置による合併症がよく見られる心臓再同期療法(CRT)における、ペースメーカーとしての軽量リードレスマルチサイト光刺激プラットフォームの臨床的可能性を示している。

