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ウィメンズヘルス:GDF15は妊娠中の母親の悪心・嘔吐のリスクに関連する
Nature 625, 7996 doi: 10.1038/s41586-023-06921-9
GDF15は脳幹に作用するホルモンで、妊娠中の悪心・嘔吐、その最も重症型である妊娠悪阻(HG)などに関与しているが、この機構については完全に解明されているわけではない。今回我々は、胎児によるGDF15の産生と母体のGDF15への感受性の両方が、HGのリスクに大きく関与していることを報告する。母体血中のGDF15レベルの高さは、妊娠中の嘔吐およびHGと関連していることが確認された。質量分析法を用いて、天然に標識されたGDF15バリアントを検出することで、母体血漿中のGDF15の大部分が胎児胎盤系に由来することが実証された。まれな遺伝的バリアントやありふれた遺伝的バリアント保有者の研究により、非妊娠状態でのGDF15レベルが低いとHG発症のリスクが高まることが分かった。逆に、GDF15レベルが慢性的に高い疾患であるβサラセミアの女性患者が報告した妊娠中の悪心・嘔吐のレベルは、非常に低かった。マウスでは、GDF15のボーラス投与に対する急性の食物摂取応答は、投与前の循環血中GDF15レベルによって双方向の影響を受けたことから、この系は脱感作に感受性であると示唆された。我々の知見は、ヒトの妊娠中の悪心・嘔吐には、胎児由来のGDF15が因果的役割を担うと推定されること、そして、母体のGDF15感受性の少なくとも一部は、妊娠前のGDF15への曝露によって決定され、悪心・嘔吐の重症度に大きな影響を及ぼしていることを裏付けている。これらはまた、機構に基づいたHGの治療法と予防法も示唆している。

