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量子シミュレーション:共振器QEDシミュレーターにおけるBCS超伝導体の動的相の観測
Nature 625, 7996 doi: 10.1038/s41586-023-06911-x
従来のバーディーン–クーパー–シュリーファー(BCS)超伝導体では、物質中のフォノンによって媒介される引力相互作用によって、反対の運動量を持つ電子が結合してクーパー対になる。超伝導は熱平衡で自然に現れるものの、系のパラメーターを急峻に変化させると、平衡から外れた状態でも現れる可能性がある。その結果としての平衡状態から外れた相は、実際の物質や極低温フェルミオン原子で生じると予測されているが、その全てが直接観測されているわけではない。今回我々は、共振器量子電磁力学(共振器QED)を用いて、提案されている動的相を生成する代替方法を実現した。今回の系は、光共振器と結合した88Sr原子の長寿命電子遷移にクーパー対の有無を符号化し、共振器を介した光子媒介相互作用として電子間の相互作用を表現している。我々は、相図を完全に調べるために、クエンチ後の単一粒子分散と相互作用の比を操作し、非破壊測定を用いて超伝導秩序変数のその後のダイナミクスをリアルタイムで追跡した。その結果、秩序変数がゼロに減衰する領域(I相)、非平衡定常値になる領域(II相)、持続的な振動を示す領域(III相)が観測された。これは、非従来型超伝導体を操作する可能性やスペクトル形状因子のような平均場を超える効果を探索する可能性などの量子シミュレーション、そして、量子センシング向けのコヒーレンス時間の延長に非常に面白い展望を開く。

