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遺伝学:ヒト腸内微生物の構造的変異の宿主遺伝子による調節
Nature 625, 7996 doi: 10.1038/s41586-023-06893-w
宿主の遺伝的特性が腸内微生物の多様性と特定のタクソンの存在量に及ぼす影響はよく知られているが、宿主の遺伝的特性が腸内微生物の遺伝的多様性を調節する仕組みについては、ほとんど解明されていない。今回我々は、4つのオランダ人コホートからの9015人を対象として、ヒトの遺伝的変異と腸内微生物群の構造的変異との間の関連のメタ解析を行った。意外にも、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)を使用するための遺伝子クラスターを持つFaecalibacterium prausnitziiの構造的変異の一部分の存在率が、GalNAcで終結するA型オリゴ糖抗原を分泌する個体でより高いことが分かった。この特性は、ヒトのABO遺伝子型とFUT2遺伝子型の両方によって決まり、この関連はタンザニア人コホートで再度観察された。in vitro実験により、GalNAc代謝経路を持つF. prausnitzii株は、GalNAcを唯一の糖質供給源として使用できることが実証された。さらなるin silico研究とin vitro研究によって、ABOと関連する他の種、特にCollinsella aerofaciensもGalNAcを使用できることが明らかになった。GalNAcの使用に関わる遺伝子は、宿主、特に粘膜A抗原を持つ個体では、心血管代謝系の健康状態にも関連していた。これらの知見を総合すると、ヒトゲノムと細菌のメタゲノムにわたる遺伝的関連から、宿主とマイクロバイオームの相互関係に関する機能的な知見が得られることが明らかになった。

