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発生生物学:哺乳類小脳の細胞の発生と進化
Nature 625, 7996 doi: 10.1038/s41586-023-06884-x
哺乳類進化の特徴の1つである新皮質の拡大に伴い、小脳のニューロン数も増加した。しかし、哺乳類の小脳発生の根底にある細胞プログラムの進化については、ほとんど分かっていない。本研究で我々は、約40万個の細胞について単一核RNA塩基配列データを作成し、ヒト、マウス、有袋類のオポッサムで、神経発生初期から成体までの小脳の発生を追跡した。我々は、発生中の哺乳類小脳に見られる細胞多様性についてコンセンサス分類を確立し、ヒト胎児の小脳における空間的マッピングにより、それを検証した。我々の異種間解析により、細胞タイプが作られる発生動態はほぼ保存されていることが明らかになり、その例外であるプルキンエ細胞ではヒト系譜で初期に生じたサブタイプの増殖が観察された。全体的なトランスクリプトームプロファイル、保存された細胞状態マーカー、ニューロン分化全体にわたる遺伝子発現追跡により、小脳の細胞タイプを定義するプログラムは、少なくとも1億6000万年にわたり保存されてきたことが明らかになった。一方、多くのオルソログ遺伝子が、いずれかの種で小脳神経細胞タイプにおいて発現を獲得または喪失していたり、ニューロン分化の際に新たな発現軌跡を進化させていたりしたことも明らかになり、細胞タイプレベルで広範な遺伝子の転用が起きたことが示された。まとめると我々の研究は、共通および系譜特異的な遺伝子発現プログラムが小脳細胞の発生を支配していることを明らかにして、哺乳類の脳の進化に関する理解を広げるものである。

