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構造生物学:原核生物が持つ短いアルゴノートの、核酸が引き金となるNADアーゼ活性化

Nature 625, 7996 doi: 10.1038/s41586-023-06665-6

アルゴノート(Ago)タンパク質は、ガイドRNAもしくはガイドDNAを用いる核酸阻害に関わっている。真核生物のAgoタンパク質と、長い原核生物Agoタンパク質(pAgo)の作用機構は解明されているが、短いpAgoによって使われる作用機構はいまだに分かっていない。今回我々は、Crenotalea thermophilaCrt)由来の短いpAgoとそれに結合したTIR-APAZタンパク質(SPARTA)のクライオ電子顕微鏡構造を決定した。決定したのは、遊離状態のCrt-SPARTA、ガイドRNA–標的DNAを結合したCrt-SPARTA、異なったTIR構成を持つ2種類のCrt-SPARTA二量体およびCrt-SPARTA四量体の構造である。これらの構造から、Crt-SPARTAが、bilobal-foldに折りたたまれたAgoローブ1個とこれに連結したTIRローブ1個で構成されていることが明らかになった。Crt-AgoはMIDドメインとPIWIドメインを1個ずつ含むが、Crt-TIR-APAZはTIRドメイン、N-likeドメイン、リンカードメインとトリガードメインを1個ずつ含む。結合しているRNA–DNA二重らせんはB型コンホメーションをとっていて、これが塩基特異的接触によって認識される。核酸の結合によってコンホメーション変化が引き起こされ、それはトリガードメインが「障害物」の働きをしてガイドRNAの5′末端と標的DNAの3′末端がそれらのカノニカルなポケットに到達するのを妨げているからである。これによってMIDドメインの形が崩れ、Crt-SPARTAの二量体化が促進される。RNA–DNAと結合した2個のCrt-SPARTA二量体は、TIRドメインを介して四量体を形成している。4個のCrt-TIRドメインが集合して頭部–尾部配置をとった並行する2個のTIR二量体が形成され、これはNADアーゼが活性なコンホメーションを示しており、このことは変異導入研究によって裏付けられた。これらの結果は、侵入核酸に対する短いpAgoを介する防御の構造基盤を明らかにしており、SPARTAをベースとするプログラム可能なDNA塩基配列検出の最適化についての知見が得られる。

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