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免疫学:β1アドレナリン作動性受容体は交感神経とT細胞疲弊を結び付ける

Nature 622, 7982 doi: 10.1038/s41586-023-06568-6

CD8+ T細胞は、ウイルス感染と腫瘍に対する免疫応答の不可欠な構成要素であり、感染した細胞とがん細胞を排除することができる。しかし、抗原を一掃できない場合には、T細胞は疲弊として知られている状態に入る。慢性的に存在する抗原がCD8+ T細胞の疲弊に関与していることは明らかだが、組織内のストレス応答がT細胞機能を調節する仕組みについては、それほどよく分かっていない。今回我々は、ストレス関連物質であるカテコールアミン類とT細胞の疲弊進行の間の、β1アドレナリン作動性受容体ADRB1を介した新たな結び付きを示す。疲弊したCD8+ T細胞ではADRB1の発現が増えていること、またADRB1+ T細胞はカテコールアミン類に曝露されるとサイトカイン産生と増殖が抑制されることが分かった。疲弊したCD8+ T細胞は、ADRB1に依存して交感神経の周囲に集まる。β1アドレナリン作動性シグナル伝達の除去は、慢性感染状態ではT細胞の疲弊状態への進行を制限し、黒色腫で免疫チェックポイント阻害(ICB)と組み合わせた場合にはエフェクター機能が改善された。ICB抵抗性の膵臓がんモデルでは、β遮断薬とICBは相乗的に働いてCD8+ T細胞応答を増強し、組織常在性の記憶T細胞様細胞の発生を誘導した。悪性疾患は患者でのカテコールアミンレベルの上昇と関連付けられていて、我々の結果は、交感神経のストレス応答、組織の神経支配とT細胞疲弊との間のつながりを示している。今回我々は、CD8+ T細胞でのβアドレナリン作動性シグナル伝達の阻害が抗腫瘍機能を復活させるという新たな機構を明らかにした。

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