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有機エレクトロニクス:プロトン共役電子移動を通した分子半導体のドーピング
Nature 622, 7982 doi: 10.1038/s41586-023-06504-8
分子半導体の化学ドーピングは、半導体分子とドーパント分子の間の電子移動反応に基づいている。この場合、ドーパントの酸化還元電位が、半導体のフェルミ準位を制御するカギとなる。化学ドーピングの調節可能性と再現性は、ドーパント物質の入手可能性や水などの不純物の影響によって制限される。今回我々は、生化学プロセスで広く用いられているプロトン共役電子移動(PCET)反応に注目した。これらの反応の酸化還元電位は、扱いやすいパラメーター、すなわちプロトン活量に依存している。我々は、PCET型レドックス対と疎水性分子イオンを含む水溶液にp型有機半導体薄膜を浸漬した。PCETとイオンインターカレーションの相乗的反応の結果、大気下条件で結晶性有機半導体薄膜の効率的な化学ドーピングが実現した。ネルンストの式に従って、半導体のフェルミ準位が再現性よく高精度に(室温の熱エネルギー約25 meVの精度で、バンド端付近で数百ミリ電子ボルトにわたって)制御された。また、この方法に基づく、参照電極不要の抵抗型pHセンサーも提案されている。半導体ドーピングとプロトン活量(化学プロセスや生化学プロセスに広く用いられているパラメーター)を組み合わせることで、大気下条件の半導体プロセスや生体分子エレクトロニクス向けのプラットフォームの構築に役立つ可能性がある。

