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構造生物学:GluA1 AMPA型グルタミン酸受容体では構造の可動性がシグナル伝達を調整している
Nature 621, 7980 doi: 10.1038/s41586-023-06528-0
AMPA型グルタミン酸受容体(AMPAR)は、脳の興奮性神経伝達の主なメディエーターであり、GluA2サブユニットを含んでいてCa2+非透過性、またはGluA2を欠いているためにCa2+透過性のどちらかである。AMPARは、介在ニューロンとグリア細胞の全体にわたる顕著な発現や長期増強におけるその役割、幅広い神経病理学分野への関与にもかかわらず、GluA2を欠く受容体の構造学的情報は現在のところ存在しない。今回我々は、TARPγ3補助サブユニットに完全に占有されているGluA1ホモ四量体(GluA1/γ3)のクライオ電子顕微鏡構造を決定し、その特徴を調べた。休止状態と開いた状態のGluA1/γ3のゲート開閉コアは共に、GluA2を含む受容体のそれによく似ている。しかし、配列が多様なN末端ドメイン(NTD)は非常に可動性の高い構造を作り出していて、リガンド結合ドメインの存在する層でのドメイン交換やサブユニット再配置(脱感作した状態では顕著に見られる)が可能となっている。このような遷移は、GluA1の独特な力学的性質の基盤となっている。NTDの動きが増加しているGluA2変異体(F231A)は、このような挙動を表現型模写していて、シナプスでのAMPAR NTDの係留機能を反映して減弱したシナプス応答が見られる。まとめるとこの研究は、サブユニットが多様なNTDがサブユニットの配置やゲート開閉の性質、そして最終的にはAMPARサブタイプ間のシナプスシグナル伝達効率を決定する仕組みを明確に示している。

