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物性物理学:キラル超伝導体における巨大スピン偏極と反平行スピン対

Nature 613, 7944 doi: 10.1038/s41586-022-05589-x

キラル分子は、スピン選択的な電荷放出を示すことがあり、これはキラリティー誘起スピン選択性と呼ばれている。こうした分子は軽元素で構成されるにもかかわらず、そのスピン偏極は、典型的な強磁性体のものに匹敵するか、それを超えることさえある。この強力な能力は、キラルスピントロニクス分野への応用につながる可能性がある。スピン選択性の起源は明らかにされていないものの、スピン–軌道相互作用の実効的な増大と、一対の逆極性のスピンによって表現されるキラリティーという2つの微視的な現象が、実験結果に基づいて示唆されている。しかし、それらの仮説はまだ実証されていない。今回我々は、超伝導転移温度近傍での磁気抵抗測定によって、有機キラル超伝導体においてこれら2つの現象を同時に観測したことを報告する。交流電流による励起においてスピンの極性を空間的にマッピングすることによって、逆極性のスピンの対が実証された。得られたスピン偏極はエデルシュタイン効果のものを数桁上回っており、スピン–軌道相互作用の実効的な増大を示している。今回の結果は、キラル分子について推測されているスピン蓄積の固体版を実証するものであり、その分子版の起源の手掛かりをもたらす可能性がある。さらに、今回の革新的なスピン流供給性能によって超伝導スピントロニクス研究が活性化されると思われる。

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