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生態学:暖かい春は温帯落葉樹の成長時期を変化させるが、全体的な成長量は変化させない
Nature 608, 7923 doi: 10.1038/s41586-022-05092-3
気候変動に伴って春の気温が高くなると、温帯落葉樹林では葉が出る時期とCO2取り込みの開始が早まるため、生育期が長くなって年間のCO2の取り込み量が増える傾向がある。しかし、春の気温がどのように樹幹の成長に影響するのかはあまり分かっていない。樹幹の成長は炭素を木質部に隔離し、生態系に長く留める。今回我々は、2つの森林全域の440本の高木から得られたバンドデンドロメーターによる計測結果を用いて、春期の気温上昇は落葉樹の幹径の成長時期を早めるものの、ピーク生育期の長さや最大成長速度、年間の成長量に対しては、これと一致する影響は見られないことを明らかにする。後者の結果については、北米東部の108の森林で207本の高木の年輪年代学解析を行い、100年スケールで確認した。この解析では、年輪幅は、春の気温よりもピーク生育期の気温に対し、はるかに高い感受性を示していた。これらの知見は、春の気温が高い年の余分なCO2の取り込みは、長寿命な樹幹木質バイオマスへの隔離増加にそれほど寄与しないことを意味している。そうではなく今回の実証研究の結果は、全球炭素循環モデルからの予測とは矛盾して、春期の気温上昇によって、温帯落葉樹林の長期的なCO2シンクの強化に十分なほど木質の生産力が高まる可能性は低いことを示している。

