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生化学:亜酸化窒素還元酵素を組み立てる装置での分子相互作用

Nature 608, 7923 doi: 10.1038/s41586-022-05015-2

危険なオゾン枯渇をもたらす温室効果ガスである亜酸化窒素(N2O)の土壌や工業的過程からの排出は、ここ数十年間にかなり増加している。細菌による脱窒過程の最終段階として、N2Oは化学的に不活性なN2へと還元されるが、この反応を触媒するのが銅依存性の亜酸化窒素還元酵素(N2OR)である。この酵素の独特な[4Cu:2S]活性部位のクラスターCuZの組み立てには、ATP結合カセット(ABC)複合体NosDFYと膜結合型銅シャペロンNosLが必要である。今回我々は、脱窒素細菌Pseudomonas stutzeriのNosDFYと、NosDFYとNosLの複合体およびNosDFYとN2ORの複合体について、それぞれのクライオ電子顕微鏡構造を明らかにした。ペリプラズムにあるNosDタンパク質にはCu+イオンの結合部位が1つ含まれていて、ヌクレオチドの無い状態でNosLと特異的に結合するが、N2ORとの結合にはATP結合によって引き起こされるコンホメーション変化が必要なことが判明した。NosDFYとNosLの複合体、NosDFYとN2ORの複合体は相互に排他的な構造であり、これらの構造から、非常に複雑な銅部位への金属イオン輸送と組み立てが順番に起こる経路が明らかになった。この経路では、NosDFYは輸送体としてというより、力学的エネルギー変換装置として働き、細胞質でのATP加水分解をペリプラズムでのNosDサブユニットのコンホメーション変化に結び付ける。このコンホメーション変化は、NosDFYが結合相手を切り換えるのに必要であり、それにより銅イオンがシャペロンのNosLから酵素N2ORへと引き渡される。

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